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一人暮らしと孤独はセットでやってくる

一人暮らしをしていると、孤独は避けられません。
家に帰っても誰もいない。
食卓に並ぶのは自分一人分の食事だけ。
休日に予定がなければ、会話がない日もあります。
私も東京で一人暮らしをしていた頃、この静けさが最初は自由に感じられたものの、だんだんと「寂しさ」に変わっていきました。
そして、その寂しさを埋めるために、私はモノを買うようになりました。
必要ない服や調理器具、ほとんど使わない家電。
今思えば、買い物そのものが一時的な「孤独の処方箋」になっていたのです。
実家と一人暮らしで変わった消費量
同じ社会人でも、実家暮らしの頃と一人暮らしの頃では、消費の量がまるで違いました。
一人暮らしになった途端、出費は一気に増えました。
もちろん家賃や光熱費が加わるのも理由のひとつですが、それ以上に「孤独を埋めるための消費」が大きかったのだと思います。
たとえば、休日に誰かと会わない日はAmazonで買い物をしていました。
本屋併設のスタバに入り、何かしら新しい雑貨や本を衝動買いして帰る。
冷静に振り返ると、必要だから買ったモノはほとんどありませんでした。
※そこから持ち物を172個にまで減らしました。内訳はこちらの記事で解説しています。
ミニマリズムを始めても消費は止まらなかった

そんな生活を変えたくて、私はミニマリズムを取り入れました。
持ち物を減らし、必要なモノだけで暮らす——そう決めたのです。
始めた当初は「1 in 1 out」というルールを自分に課していました。
ひとつ買ったらひとつ手放す。
それなら持ち物は増えないし、ミニマリストっぽいと思っていたのです。
けれども、これは落とし穴でした。
結局、買い物はやめられず、お金は減っていく。
お金が減れば、友人との食事や遊びに誘われても断らざるを得なくなり、交流が減る。
すると孤独感はさらに増し、また消費に走る——完全な悪循環でした。
モノをシェアできない孤独
一人暮らしで感じたもうひとつの孤独は、「モノをシェアできないこと」です。
家族やシェアハウスなら、道具や家電、本や服を貸し借りできます。
それによって「人の思いやり」を感じたり、与える喜びを得られる機会があります。
しかし、一人暮らしだとそれがありません。
全部自分で持つしかなく、貸す相手もいない。
必要があっても「誰かから借りる」という選択肢はほぼゼロです。
結果、余計にモノを買うことになり、さらに孤独を感じる。
これは、都会の一人暮らしだからこそ起きやすい現象だと思います。
都会は「一人で生活が完結する環境」が整いすぎているのです。
お金が貯まらない理由は家賃だけじゃない

都会暮らしでお金が貯まらない理由として家賃の高さはよく言われますが、それだけではありません。
孤独感による消費の増加、モノをシェアできないことによる負担、気分転換に外食や娯楽に頼る傾向。
これらも確実に影響しています。
私自身、実家暮らしの頃よりも貯金の減りは圧倒的に早くなっていました。
その結果貯金が尽き、地元に帰りました。
孤独感とセロトニン不足
調べてみると、孤独感には「セロトニン不足」が関係しているといいます。
セロトニンは、日光を浴びたり運動することで分泌されやすくなる神経伝達物質。
心の安定や幸福感にも深く関わっています。
そういった意味で、私が習慣にしている散歩やランニングは、孤独感の軽減に役立っていたのかもしれません。
特に日光の下で歩くと、気持ちが前向きになります。
近所の裏道を歩きながら、季節ごとの景色や空気の変化を感じる時間は、スマホ画面のスクロールでは得られない充実感があります。
無理にでも笑うという方法
もうひとつ、孤独感を軽くする方法として「無理にでも笑う」というものがあります。
心理学の「ジェームズ・ランゲ説」によれば、感情は身体的反応から生まれるという考え方があり、笑顔を作ることで脳が「楽しい」と錯覚し、気分が上向くとされます。
私はあまり積極的にやってはいませんが、確かに笑うと呼吸が深くなり、少しだけ肩の力が抜ける感覚があります。
孤独感に押しつぶされそうなとき、試してみる価値はありそうです。
参考:https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/81000843/81000843.pdf
ミニマリスト的孤独との向き合い方

私が学んだのは、孤独は避けられないが、放置すれば生活やお金に悪影響を与えるということです。
そして、一人暮らしの孤独は、ミニマリズムの実践を難しくする要因でもあります。
だからこそ、ミニマリズムを続けるには「モノを減らすこと」だけでなく、「孤独感への対策」が欠かせません。
外に出て日光を浴びる、運動する、人と会うきっかけを意識的に作る。
これらはミニマリストとして心豊かに暮らすための必須条件だと感じます。
一人暮らしは、自分だけの空間と時間を手に入れる一方で、孤独という課題もセットでやってきます。
その両方と向き合うことこそが、ミニマリズムを本当に機能させる鍵なのだと思います。
※ミニマリストになったきっかけや、生活を整える過程はnoteに綴っているので、ぜひご覧ください。
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