時間、お金、思考。私が余裕をつくるまでに手放したもの

お金・時間

2024年の私は、時間にも、お金にも、頭の中にも余裕がなかった。

Instagramを学ぶ講座に約60万円を払い、半年間取り組んだ。それでも得られた収益は約1万円だった。講座が終わった後も自分で運用を続けたが、思うような成果は出なかった。投稿が炎上したこともあり、発信そのものに疲れていた。

会社の仕事でもミスが続いた。上司から「これ以上ミスをしないでほしい」と言われたときは、かなりつらかった。東京で一人暮らしをしていたが、誰かに頼れる感覚もなかった。

それでも状況を変えたくて、通勤電車の中でもInstagram投稿の台本を作っていた。立ち止まるのが怖くて、空いている時間をさらに努力で埋めていたのだと思う。

そんな私が最初に手放したのは、部屋にあった物だった。その後、忙しさ、働き方、住む場所、そして見栄を段階的に手放してきた。

余裕は、効率化によって一気に生まれたわけではない。何かを手放すたびに別の苦しさも出てきた。それでも生活を一つずつ見直すなかで、時間、お金、思考に少しずつ余白が生まれた。

この記事では、2024年から現在までに私が整えてきたことを振り返る。

2024年は、時間もお金も思考も余裕がなかった

当時はこんな景色を楽しむ余裕がなかった

当時は、Instagramで成果を出せば今の状況を変えられると思っていた。

約60万円の講座を受け、半年間学んだ。しかし、収益は約1万円だった。金額だけを見れば、投じたお金の大部分を回収できていない。

講座の期間が終わっても運用を続けた。通勤電車の時間も投稿づくりに使った。それでも成果は上がらず、自分の投稿が炎上したことで、発信することにも疲れていった。

苦しかったのはInstagramだけではない。会社では正確性を求められる仕事を担当していたが、ミスを繰り返していた。上司からは、これ以上ミスが続くと取引先へ示す再発防止策も考えられなくなるため、本当にミスをしないでほしいと言われた。

失敗を取り返そうとしているのに、また失敗する。もっと頑張ろうとして時間を詰め込むほど、頭の余裕がなくなる。その繰り返しだった。

お金も減っていた。東京へ引っ越した頃には、貯金が約80万円、NISAに約60万円あった。それが、貯金約20万円、NISA約10万円まで減った。

貯金やNISAの積立ができない月もあった。積立を止めれば、その分だけ生活に使えるお金は増える。それでも無駄遣いを重ね、ある月には生活口座の残高が173円になった。

資産のすべてが173円になったわけではない。それでも、次の給料日を待つ生活のなかで口座に173円しか残っていない状況は、私にとって十分に切迫していた。

最初に手放したのは、部屋にあった310個の物だった

生活を変える最初のきっかけは、自分の部屋の居心地が悪いと感じたことだった。

ミニマリストしぶさんの動画や、四角大輔さんの本を見るようになり、持ち物を減らし始めた。当時は約500個の物を持っていたが、約1週間で190個まで減らした。手放したのは約310個である。

物を減らしても、Instagramの収益が増えるわけではない。仕事のミスがなくなるわけでも、減った貯金が戻るわけでもない。

それでも、生活は明らかに楽になった。

部屋に入ったときに感じる圧迫感が減り、管理する物も少なくなった。何かを変えようとしてもうまくいかない時期に、「自分の判断で手放し、生活を変えられた」という感覚を得られたことも大きかった。

現在の持ち物は、全持ち物リストで数え方と内訳を公開している。物を減らす具体的な順番は、断捨離の進め方にまとめた。

私にとって物を減らすことは、少なさを競うためではなかった。自分の生活から負担を取り除けると知る、最初の経験だった。

Instagramを止めて、何もしない時間をつくった

物の次に手放したのは、空いている時間をすべて成果につなげようとする生活だった。

Instagramの運用を一時的に止めた。2〜3か月後には再開したが、いったん何もしない時間を意図的につくった。

その時間に、特別な答えを出したわけではない。普通に生活しながら、自分が何を感じるのか、どこへ行きたいのかを考えた。

それまでは、焦りを消すために行動していた。投稿を作り続けていれば、何かが変わる気がした。しかし、行動量を増やしても、自分の気持ちを考える余白までは生まれなかった。

何もしない時間をつくって初めて、続けることだけが正解ではないと考えられるようになった。

Instagram運用で陥っていた思考については、別の記事「18ヶ月検証|Instagram運用に疲れた人の思考パターン5選と抜け出し方」でも整理している。

正社員を辞めると時間は増えたが、お金はさらに苦しくなった

その後、正社員の仕事を手放した。退職後は、完全在宅の派遣社員として働き始めた。

勤務時間は9時から17時までだった。通勤がなくなったことで、それまでと比べて自由に使える時間は大きく増えた。

ただし、時間に余裕ができたからといって、生活全体がすぐに楽になったわけではない。収入と貯金の問題は残り、お金はさらに減っていった。

一つの負担を手放せば、すべてが整うわけではなかった。時間が増えた一方で、お金がなくなる別の苦しさが来た。

だから、正社員を辞めることや完全在宅で働くことを、誰にでも当てはまる正解だとは思っていない。私の場合は、それまでの働き方を続けることが難しくなり、一度立ち止まるために必要な選択だった。

現在の働き方へ至った経緯は、フルリモートのWebディレクターに転職した理由でも詳しく書いている。

東京を離れ、家賃を3分の1以下にした

東京に住んでた時と同じ大きさで家賃が1/3以下なのはありがたい

貯金が減り、東京で生活を続けることが厳しくなったため、地元へ戻ることにした。

地元の家賃は、東京で暮らしていた頃の3分の1以下である。住む場所を変えたことで、毎月必ず出ていくお金を大きく減らせた。

これは、華やかな移住ではない。東京以外で暮らすことに憧れて移ったというより、お金も収入も貯金も足りず、今の生活を続けられなかったというほうが近い。

しかし、続けられない生活を続けるために努力を重ねるより、生活そのものを小さくするほうが、私には必要だった。

東京での一人暮らしでは、物を減らしても消費が止まらず、孤独を感じることがあった。その当時のことは、一人暮らしと孤独の関係にまとめている。

友人との旅行を断り、お金がないことを認めた

地元へ戻った後も、すぐにお金の余裕ができたわけではない。

毎年参加していた友人との旅行も、2025年は断った。単純に、旅行へ行けるだけのお金がなかったからである。

それまでの私なら、生活防衛資金を切り崩してでも参加していたと思う。お金がないことを知られたくない。自分だけ行けないと言いたくない。その見栄のために、将来の自分を守るお金まで使っていた。

しかし、その年は「本当に苦しいから行けない」と友人へ説明した。

旅行へ行けなかったことは残念だった。それでも、お金がない自分を隠すために無理をしなくてよくなった。

私が手放したのは旅行ではなく、苦しいのに平気なふりをすることだったのかもしれない。

物を減らすときは、自分の部屋だけを見ればよかった。しかし、忙しさや見栄を手放すときは、仕事や人間関係のなかで自分の弱さを認める必要があった。私にとっては、こちらのほうが難しかった。

今は、余裕を生活を楽しむために使っている

今年は香港に行けた。貯金して、来年もまた行きたい。

現在は、生活防衛資金を貯め直し、車を買うための貯金も目標額に達した。

次は、友人と遊ぶためのお金や、旅行するためのお金を貯めたいと思っている。年に1回は海外へ行きたい。香港の友人にも、また会いに行きたい。

以前は、将来への焦りを消すためにお金を使い、空いている時間を成果のために埋めていた。今は、会いたい人に会うことや、自分が楽しみにしていることのために、お金を残せるようになった。

時間の使い方も変わった。散歩や睡眠の時間を取り、精神を安定させることを優先している。ブログやnoteを書き、Podcastを作り、香港の友人と言語交換をしながら、広東語の勉強も続けている。

どれも、すぐに大きな成果へ変わるものではない。それでも、毎日が「じわじわ幸せ」だと感じる。

効率化で生まれた時間を、さらに仕事で埋めたいわけではない。身体を休めること、人に接すること、好きな言語を学ぶことに使いたい。そのような時間を持てることが、私にとっての余裕である。

余裕ができても、生活は完成していない

だいぶヘタってきた印象

今の生活には大きな不満がない。それでも、整えたいことは残っている。

約2年9か月使っているiPhone 13は、顔認証をした後にホーム画面へ移らないことや、画面表示が崩れることがある。バッテリーの持ちも悪く、旅行中に困った記憶もあるため、今年の冬頃には買い替えたいと思っている。

ただ、優先順位はそれほど高くない。現在は、購入に向けて月1万円ほど貯めようとしているところである。

身体を大きくするために筋トレもしたい。しかし、最近は散歩が楽しすぎて、筋トレができていない。身体を大きくしたい自分と、散歩を続けたい自分が同時にいる。

以前なら、できていないことを見つけるたびに、すぐ解決しなければならないと思っていたかもしれない。今は、優先順位を考えながら、冬まで少しずつ貯めればいいと思える。筋トレと散歩のどちらを選ぶかも、まだ迷っていていい。

問題が一つもないことではなく、問題を急いですべて処理しなくていいことも、余裕の一つだと思う。

余裕をつくりたい人に、そのまま勧められること・勧められないこと

私の経験を、そのまま誰かの正解にはできない。

正社員を辞めること、東京を離れること、友人との旅行を断ることは、生活や人間関係に大きく影響する。収入や住む場所、頼れる人の有無によっても選択は変わるため、余裕をつくる方法として一律には勧められない。

一方で、次のことは、小さく試しやすかった。

  • 居心地の悪い部屋から、使っていない物を一つ減らす
  • 成果につながらない活動を、期限を決めて休んでみる
  • 何もしない時間をつくり、自分の感覚を確かめる
  • 固定費と、毎月の口座残高を数字で見る
  • お金がないときに、無理をして予定へ参加しない

大きな決断から始める必要はない。私自身も、最初から仕事や東京での生活を手放そうと考えていたわけではなかった。始まりは、居心地の悪い部屋から物を減らしたことだった。

まとめ:余裕とは、必要なものを自分で選べる状態である

2024年の私は、状況を変えようとして、時間もお金も使い切ろうとしていた。

約60万円を払ってInstagramを学び、通勤電車でも投稿を作った。それでも成果は出ず、仕事のミスも続いた。貯金は約80万円から約20万円へ、NISAは約60万円から約10万円へ減り、ある月には生活口座の残高が173円になった。

そこから、約500個あった持ち物を1週間ほどで190個まで減らした。Instagramを休み、正社員の仕事を辞め、東京を離れた。友人との旅行を断り、お金がないことも認めた。

物、忙しさ、見栄を段階的に手放したことで、少しずつ生活を立て直してきた。

今も、欲しい物はある。できていないこともある。それでも、すべてを急いで解決しなくてよくなった。

私にとって余裕とは、時間やお金がただ余っている状態ではない。自分に必要なものを選び、今は必要でないものを手放せる状態なのだと思う。

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